ライフコーポレーション(岩崎高治社長)は、16年8月に導入した独自電子マネーの会員が100万人規模に拡大した。独自クレジットカードの会員16万人と合わせた顧客基盤を活かすため、17年度の主要テーマの1つとしてカード戦略を推進する。一方、店舗の魅力向上に関する取り組みは、SMの基礎力と位置づけブラッシュアップを続ける。商品開発は食品にとどまらず、生活用品や衣料品も強化する。「アンケート調査の結果、非食品も重要な来店動機になっていると判断した」(岩崎社長)
――以下は岩崎社長の発言要旨である。
16年度は当社にとってチャレンジングな1年だった。独自のクレジットカード、電子マネーを発行したほか、首都圏では約50億円をかけて埼玉県加須市に水産のPCを稼働させた。近畿圏には新しいコンセプトのSMとして「ビオラル靱店」(大阪市西区)を開設した。計画からは下振れして年商6〜7億円ペースで推移しているが、悲観はしていない。既存店を転換したもので、近隣に新設した阿波座駅前店(大阪市西区)との差別化がテーマだった。カード会員を分析するとすみ分けはできており、ドミナント戦略としては成功している。ただ、ビオラルは1店舗だけのつもりで開発したものではないので、早く成功パターンを確立したい。
電子マネー会員は計画の2倍に
16年3月に独自のクレジットカードを導入した際、そのカード以外のクレジット決済にはポイントを付与しないことにした。これに対するお客さまの不満は想定以上に大きく、売上に占めるカード会員比率は、前期の約8割から1割ほど低下した。8月に導入した独自の電子マネー「ラクカ」は、初年度で50万人の獲得を目指していた。レジ担当者の教育を徹底するために控えめの目標を設定していたが、クレジット決済への不満もあったことから電子マネーの普及を急いだ。それによって16年末には100万人規模に拡大した。電子マネーでの決済比率は、直近で15%程度となっている。
また、11月にはクレジット決済でのポイント付与も復活し、会員比率は以前のレベルまで回復している。今後、電子マネーが付いていない旧カードは早急に廃止する方針だ。会員カードによるポイント販促を強化する一方、チラシを削減するなどの工夫で販促費トータルは従来と変わらないレベルに抑える。
日刊流通ジャーナル2017年1月16日号より抜粋