関西スーパーマーケット(福谷耕治社長)は昨年8月、本社新社屋(兵庫県伊丹市)が竣工し、1階には中央店がリニューアルオープンした。さらに11月にはエイチ・ツー・オー リテイリング(鈴木篤社長)との業務資本提携による第三者割当増資で51億円の資金を調達した。来期からはこの増資資金を純投資に振り向け、中央店をモデルとした店舗の新設、全面改装を積極的に推進する。
――以下は福谷社長の発言要旨である。
当社は2018年度に創業60周年を迎える。故 北野祐次名誉会長が当社を創業し、故井上保前会長が育て上げ、2014年10月から私が引き継いで現在に至っている。当社はこれから、新社屋の竣工、中央店のリニューアルを機に「継承 創成 挑戦」をキーワードとして新たな成長をめざす。
先ず「店づくり」では、建替新設した中央店がお客さまから支持され順調に推移している。これまではご高齢のお客さまも多かったが、お子さまを連れたファミリーが増えて客層が広がっている。今後はこの中央店をモデルとして、店舗の新設、改装に力を入れていく。
「人づくり」では、新本社に教育センターを設けている。各店から研修に参加するパートの方々にも中央店を見学、勉強させている。
これからの関西スーパーは、健康を基軸とした生鮮の惣菜化をめざす。そのモデルが中央店だ」と説明すると、仕事に対するモチベーションが上がるようだ。また教育センターでの調理実習作業をリアルタイムで映像化して、会議室でも見れるようにした。今後は、各店でも実習作業をリアルタイムで見ることができるようにする。
H2Oと提携で資金調達 店舗や情報システムに投資
エイチ・ツー・オー リテイリングとの業務資本提携による第三者割当増資で51億円の資金を調達した。これを今後の新店開設、全面改装、基幹情報システムの構築など純投資に振り向ける。下期は大型改装を2店実施し、惣菜売場の改装も通期で40店を計画しており、今期中に終了させる。
来期は最低でも1店の新設を計画しており、大型改装は5店以上実施する。向こう3年以内で大型改装はほぼ終える。なお昨年12月17日、H2Oとキックオフミーティングとなる第1回業務提携協議会を開いた。今後は長期ビジョンや当面の課題などについて部会を設けて協議を進めていく。
日刊流通ジャーナル2017年1月18日号より抜粋