いなげや(成瀬直人社長)は3月24日、生鮮の惣菜化に本格的に取り組んだ実験店「大泉学園店」(埼玉県新座市栄4-1-26)をリニューアルオープンした。店舗で販売する精肉、鮮魚の生鮮素材を使用した惣菜の品揃えを強化するもので、数カ月後には温野菜など野菜惣菜にも取り組む。3年前から取り組んでいる「惣菜を柱に生鮮を強化した改装」は、主要店舗はほぼ一巡し、現在は中小型店を中心に年間30店ペースで取り組んでいる。
――以下は成瀬社長の発言要旨である。
2017年3月期決算は、人手不足に伴う派遣社員の時給アップや店舗改装費用の負担増などで、上期が18億円の経費増となり非常に苦戦した。通期は減益ながらもほぼ予想通りで着地しそうだ。
次世代のSSMづくりをめざして3年前から「惣菜を柱に生鮮を強化した改装」を進めている。主要店舗についてはほぼ一巡し、現在は年商10億円規模の小型店を中心に取り組んでいる。
前期は60店を改装する予定だったが、結果として30店に止まった。しかし改装投資は減額していない。1店当たりの改装費用は増えている。改装を機に、「くつろぎスペース」を設けて、買っていただいた惣菜をその場ですぐ食べられるようにしているが、肝心の商品開発がまだ追い付いていない。将来的には、紙ナプキンや使い捨てのナイフ、フォークを置くなどしたい。だが立川立飛のブルーミングブルーミー(東京都立川市)、新百合ヶ丘店(川崎市麻生区)など一部の有力店を除いて、すぐ食べられる商品のバリエーションが少ないのが現状だ。
日刊流通ジャーナル2017年4月11日号より抜粋