
イオンリテール(岡崎双一社長)は5月19日、千葉県浦安市の新浦安店の食品売場を刷新し、リニューアルオープンした。専門店化の一環でデパ地下を意識したデリカショップ、サラダショップ、酒類売場と隣接するバル、おにぎり専門店など、新店・改装店で開発・実験しているユニットを集大成すると同時に、地域で要望の高かった鮮魚・精肉の対面コーナーを導入した。新しいユニットの導入でオペレーションの中身が変わり、人員も増加するが、売上の増加でコストの吸収をねらう。

新浦安店は京葉線・新浦安駅前に立地する。1990年にダイエー新浦安としてオープンし、一時は売上高で首都圏の上位の位置づけとなっていた。東京都心へは京葉線で30分前後でアクセスでき、周辺は30~50代の子育てファミリーのほか、宅地開発の当初から居住している65歳以上が多い。
昨年3月にイオンリテールが承継し今回、集客効果が見込める1階の食品フロアの改装から着手した。周辺住民の聞き取り調査をもとに、デリカの強化、酒類売場の充実、生鮮の対面コーナーの導入の3つをポイントに活性化に取り組んだ。
店舗導入部はマルシェのイメージの青果にカフェ、ベーカリー、デリカ、イートインスペースを集積した。ここに150席のイートインスペース、バル、その後方に専門性を追求するイオンリカーを集積した。
即食系商品を集約すると同時に、食の新しいトレンドを反映させる。デリカはデパ地下をイメージしたリワードキッチン、チョップドサラダ専門店「サラダビッツ」、おにぎりショップ「ほのみ」、とり惣菜の「とり惣亭」、グリルプレート、ピザなど、専門ショップを中心に構成する。
リワードキッチンは100g・200円台のボリュームゾーンに加え、ローストビーフ、ハンバーグ、四元豚のロースト、モッツァレラとトマトのサラダ、ガーリンクシュリンクなどメインディッシュ、副菜まで多様に揃える。100g・500円台のものも商品化している。おにぎりショップのほのみは鮭、明太子などベーシックなものから、和牛煮、さわら高菜、チキンライス、おかかチーズ、カレーチーズなど、目新しい提案型のものまで、豊富な品揃えを提供する。
グリルプレートはハンバーグ、チキンのほか、これらをメインディッシュとした弁当も商品化する。とり惣亭は各種焼鳥のほか、唐揚げも加工する。またプロパー売場でも、彩りのある洋風メニューをコーナー化したデコレーションデリ、スープ・カレーライスのセルフコーナーを展開している。
バルはイオンリカーで販売しているワイン、クラフトビールのほか、生ハム、ナチュラルチーズ、サーモンなどのアラカルト、ランチメニューを提供する。
日刊流通ジャーナル2017年6月2日号より抜粋