日本アクセスは第5次中期経営計画で、Make ACCESS VALUE2015“創発”をスローガンに「物販企業」から「サービス業」への転換を進めている。今期は中期経営計画の最終年度で、「目標の売上高1兆8000億円は戦略事業が順調な伸びをみせたことで達成は確実だが、経常利益180億円へ向けて奮闘中だ」(髙倍正浩取締役)。16年度からスタートする第6次中期経営計画はいまの中期経営計画で積み残したものを着実にクリアしていく。製造卸、ロジ営業など、機能をより強化することで、生産性の向上と収益の改善につなげる。
――以下は髙倍取締役のインタビュー要旨である。
中間流通全体で、収益の拡大が難しい状況にある。さまざまなコストアップを価格に反映できていないからだ。当社からの提案で、得意先に納品回数の見直しなどをお願いしている。ただ、悲観的なことばかりではない。今期は情報システム、DAISYに80億円弱を投資し、減価償却費10億円強を吸収しきれず、上期の経常利益額は前期比0.5%減となったが、戦略事業の位置づけの生鮮・中食・外食が順調で、この2年間で1000億円近く、売上を伸ばすことができた。ただ、この分野は手間隙がかかりコストパフォーマンスが低めで、ベンチマークとしてきた経常利益率1%の達成が厳しくなっている。
生産性を向上させるために例えば、複数に分かれているセンターを1カ所にまとめて大型センターを稼働させようとしているが、流通団地のような立地では人が集まらず、分散していた方が効率がいい場合がある。ただ1カ所にすることで、管理面で生産性が向上できるので、人件費とのトレードオフで考えなければならない。
伊藤忠商事の佐々木常務が新社長に
また、6月の定時株主総会後に田中茂治社長は代表取締役会長に就任し、伊藤忠商事の佐々木淳一常務執行役員が代表取締役社長執行役員に就く。これに先駆け、佐々木氏は4 月 1 日付で日本アクセスの顧問に就任する。
日刊流通ジャーナル2016年2月16日号より抜粋